掛布 雅之
ミスタータイガース 掛布 雅之
選手データが今季前半戦の成績に基づき更新され、急成長の若手も完璧に再現。
より深化した「プロ野球チームをつくろう!ONLINE 2」に、“ミスタータイガース”掛布雅之氏が登場。
ゲームを実際に楽しんでいただくとともに、四番打者論や現役時代に名勝負を演じたライバルとの物語などお話しいただいた。
阪神ファンならずとも、これは必見だ!!
掛布さんのチームをつくってみました。実際にユーザーと試合をしてみましょう。
- 掛布
- もうできるんですか?
あっ、対戦者が来ましたね。このチームが僕だと、この人は分かりましたかね?
おっ、このメンバー相手なら勝てますよ。(と自信満々で試合に臨むが……)
2対5で負け!?う~ん……。
ひと通りお試しいただきましたが、実はこのサービスが無料で楽しめるんです。
- 掛布
- えっ、本当ですか?無料!?
それなら本当に気軽に始められますよね。
もっと深くやりたい人は、いろんなシステムがあるんだ。
なるほど。若手も覚えやすいし、育てると愛着もわくでしょう。
掛布さんならどういうチーム作りをしていきたいですか?
- 掛布
- 勝ちに行くなら当然、投手力なんですよ。守りのチーム。
ただ実際に見て、やって興奮するのはやっぱり打撃戦ですよね。
7点ぐらいの勝負に行くのが一番緊張もしますし、戦術、戦略なども面白い。
僕らはどうしても85年の阪神が、頭にはありますからね。
では豪打のチームですか?
- 掛布
- でも、ゴルフバッグの中にドライバー14本を入れてやってもつまらないでしょう。
やっぱりアイアンがあって、パターがあって、バランスが取れているから楽しい。
野球の打順も一緒だと思うんです。
それは分かりやすい例えですね。
- 掛布
- ですから各打順のスペシャリストを揃えたい。
一番なら阪神の赤星君のように足が速くてね。
僕らの時代、高橋慶彦は盗塁もたくさんして本塁打もよく打った。
彼なんかは理想の一番打者だったのかもしれません。
真弓さんも30発打てるすごい一番でしたが、機動力だけはやや弱かったから。
二番は宮本君のようにバントもできるタイプでしょう。
そしてクリーンアップですが、特に四番バッターはどうしましょう?
- 掛布
- 難しいですねぇ。
松中君……いや、やっぱり金本君になるのかなぁ。外国人もいいんですか?
それならラミレスですかね。
日本人選手では難しい?
- 掛布
- いまは四番の代名詞という存在がいませんよね。
エースは誰かと聞かれたら、すぐにダルビッシュと答えます。
同じように四番なら誰、一番なら誰と名前がすぐ挙がる選手が増えれば、プロ野球はもっと面白くなる。
僕らの時代は、四番というと名が出ましたよ。
山本浩二さんであったり、僕の名も出たでしょうし、その前には田淵さん、ONってね。
皆さん、不動の存在でした。
- 掛布
- 理想の四番は、チームを背負える人材だと思うんです。
できれば生え抜きでね。そうすると外国人よりは日本人。
確かに金本君も素晴らしいですが、彼は阪神ではなく広島で育った選手です。
いまはFAもありますし、移籍の意味合いも僕らの頃とは随分、変わりました。
現代のプロ野球はお金で強くできる。
これも企業努力であり、ルールにのっとっているのでダメだとは言えませんがね。
現在のプロ球団で理想型に近いのは?
- 掛布
- 今年の西武は理想的ですよね。若い選手がちゃんと育っている。
広島もそうですが、ああいう球団が結果を残し、球界に一石投じてくれるのはひじょうにいいことです。
数年後、広島の栗原君や西武の中島君、G.G.佐藤君などが本当の四番になれるのか。
楽しみな半面、FAでヨソへ行ってしまう心配はありますが。
どの選手に限らず、その心配はあります。
- 掛布
- 「野球つく」で2つのチームを楽しむのもいいかもしれませんね。
勝負重視と実験をするチーム。
実験型はとにかく若手を育て、独自のカラーをつくる。
長い目で見たら、そちらのほうが強くなったりしてね。
個性のあるチームは面白いですから。
- 掛布
- 昔のパ・リーグは無骨で、野武士的な選手も大勢いました。
最近はセ・パの違いというのはあまりないですよね。
僕も少年野球教室で教える機会がありますが、うまい子は大勢いても、個性の強い選手は減りましたよ。
でもね、いまの球界に必要なのは、そういう個性だと思うんです。
勝ち負けのプラスアルファとして、そういう分かりやすさがね。
同感です。
- 掛布
- 同級生に江川卓という大投手がいましたが、彼とは巨人と阪神とに分かれ、
ある意味、勝敗を度外視した対決ができました。
江川と掛布の分かりやすい対決を、ファンの皆さんも楽しんでくれましたよ。
彼が言ったのは「阪神に5対2で勝っても、掛布に2本塁打されたら嬉しくない。
逆にそのスコアで負けても、掛布を4三振にしたら満足する部分がある」。
こういうことも大切と思うんです。
ライバル対決は醍醐味ですからね。
- 掛布
- だから僕も、彼が必ず初球に投げるカーブは打たない。そこで打っても面白くない。
そこから勝負が始まって、何球か後のストレートをサク越えするか、三振するかなんです。
もちろん初球のカーブを打つことで、そこからまた新たな配球の勝負を楽しむという見方もありますけどね。
清原君との対戦で、あのフォークがあるのに直球にこだわった野茂君と、
158キロの剛速球があるのに、すべての球種を駆使して戦うことにこだわった伊良部君。
それぞれの考え方ですね。
掛布さんは本塁打をたくさん量産しましたが、甲子園には左打者の大敵・浜風が吹きます。そこでレフトへ打ちましたよね。
- 掛布
- 自分は小柄だし、四番を打てるとも考えていなかった。
でも田淵さんが抜け、立場が自分を育ててくれたんです。
左方向へ打てたのもそう。甲子園が育ててくれた。浜風を敵にするか味方にするか。
球場を味方にせねば、四番として結果を残せませんから。
あの王さんですら、甲子園のライトにはほとんど打てなかった。
みんな最初は浜風を乗り越えようとするんです。でも、自然とケンカをしても仕方ないと悟る。
ちょうどキャンプ地の安芸もライトからレフトへ吹くので、その風に立ち向かうんですが、
そうすると結局、自分の打撃を崩しちゃうんですよ。
もう一つ、掛布さんといえば背番号31。それまであの数字は、決して特別な番号ではなかったと思うんです。しかしいまも「31=掛布」と言われるように、掛布さんが31番に命を吹き込んでくださったと。
- 掛布
- 実は3年目に3割を打ったら、球団から背番号変更を打診されたんですよ。
しかもそれが長嶋さんと同じ背番号3番。
憧れもありましたから悩んだんですが、自分が阪神で結果を残したときに、
長嶋さんでも王さんでもなく、僕は僕だと思ったんですよ。
そして初めてもらったこの番号を、自分の顔として一緒に育っていきたいと思ったんです。
僕は入団時、番号を選べるような選手ではありませんでしたから、自分でも何番なのかを知りませんでした。
1年目のキャンプ前、選手寮の虎風荘の洗濯かごに「掛布31」とセロテープで貼ってありましてね。
同期のヤツと、もしかしたらこれが背番号なんじゃないかって気付いたんですよ(笑)。
そういう意味では、大きな番号を最後まで着け続けた一軍選手は僕からなのかもしれませんね。
最後に「野球つく」の世界で復活する掛布雅之選手が戦いたい投手は誰ですか?
- 掛布
- 藤川君。あの速球を叩き込むか、それとも三振か。その勝負を楽しみたいですね。
- 掛布 雅之(かけふ・まさゆき)
- 1955年5月9日、千葉県習志野市出身。
習志野高では72年夏に甲子園出場。入団テストを経て74年ドラフト6位で阪神に入団した。
高卒ルーキーながら1年目から一軍定着。
3年目にリーグ5位の打率.325を打ち、以降は球界を代表する三塁手に成長した。
田淵幸一の移籍後は絶対的な四番打者として本塁打王3回、打点王1回。
85年の阪神21年ぶりの優勝に多大なる貢献をした。
88年限りで現役引退。15年間の通算成績は1625試合で打率.292、349本塁打、1019打点。
引退後は野球評論家をはじめ多彩な活躍を見せている。